Android Vitals によるアプリの技術的な品質のモニタリング

Android Vitals を使用すると、アプリの安定性、パフォーマンス、バッテリー使用量などのデータを把握して、改善に役立てることができます。

アプリのデータにアクセスする方法を選択する

Android Vitals には 2 つの方法(Google Play Console または Play Developer Reporting API)でアクセスできます。

Android Vitals のデータを他のデータセットと統合したり、ワークフローに組み込んだりしたい場合、この API を使用すると Android Vitals にプログラムでアクセスできます。API を使用して Android Vitals にアクセスする方法について詳しくは、Google Play Developer Reporting API のページをご覧ください。

Google Play Console でアプリの Android Vitals データを見つけて確認するには:

  1. Google Play Console を開きます。
  2. アプリを選択します。
  3. 左側のメニューで [品質] > [Android Vitals] > [概要] を選択します。
  4. 右上にある期間セレクタを使って、表示するデータの範囲を選択します。

重要: 利用可能なデータがない場合は、指定したフィルタ内のデータポイントが不足するため、問題を特定できません。

アプリの主な指標をモニタリングする

[概要] ページの上部には、アプリの主な指標に関するデータが表示されます。これらは特に重要な技術的指標で、Google Play でのアプリの見つかりやすさに影響します。主な指標には、次のものがあります。

Google Play では、これらの指標に対し、不正な動作のしきい値が定義されています。アプリがこのしきい値を超えると、Google Play で見つかりにくくなる可能性があります。場合によっては、ユーザーが事前に認識できるようアプリのストアの掲載情報に警告が表示されることもあります。

[重要な問題] では、アプリの改善が可能な部分をすばやく特定できます。重要な問題には次の 2 種類があります。

  • 不正な動作: 不正な動作のしきい値を超える指標
  • 異常: データの大幅な変化(例: ユーザーが認識した ANR 発生率の急激な増加)

メールで通知を受け取るには、[設定] > [通知] にアクセスするか、[主な指標] の隅にある [通知を管理] をクリックします([品質] > [Android Vitals] > [概要])。現在のところ、異常についての通知のみ利用できます。

すべての指標をブラウジングする

[概要] ページの中央付近には、品質のタイプごとにすべての指標に関するデータが表示されます。

表では、現在の期間と以前の期間の指標を確認できます。また、Google Play の他のアプリと自分のアプリを比較することもできます。

詳細な指標を表示する

指標の詳細を確認するには、その指標の横にある [詳細を表示]()を選択します。次の画面では、以下の項目を確認できます。

  • 不正な動作のしきい値
  • カテゴリのベンチマーク
  • 詳細なベンチマーク比較
    • ページ上部の [類似アプリの比較] カードで、[類似アプリのグループを編集] を選択し、類似アプリのカスタム グループを作成します。類似アプリのカスタム グループを作成すると、選択した Google Play の他のアプリと、自分のアプリを比較できます。
  • 指標の傾向の推移
ディメンションを使ってデータを分析する

データの整理、分類、分析がしやすいように、指標はさまざまなディメンションで分類できます。すべての指標には次の内訳があります。

  • アーティファクト: 問題が発生したアプリのバージョン
  • Android バージョン(SDK): ユーザーのデバイスから報告された Android OS のバージョン
  • フォーム ファクタ: アプリが実行されたデバイスのタイプ(スマートフォン、タブレット、テレビ、ウェアラブルなど)
  • デバイスモデル: デバイスの概要を表すもので、ブランドとデバイスを組み合わせた一意の識別子です(例: 「Google oriole」)。1 つのデバイスモデルに、Android バージョンや、RAM、ストレージ、システム オン チップ(SoC)が異なる複数のバリエーションが含まれることがあります
  • 国 / 地域: 問題が発生したときにユーザーのデバイスから報告された場所

ヒント: デバイスのハードウェアやソフトウェアに固有の項目(デバイスモデル、Android バージョンなど)を確認するには、表内の項目の横にある記号()をクリックします。

一部の指標では、以下の内訳も表示されます。

  • wake lock 名: アプリで PowerManager API を使用するときにプログラムで設定されたタグ
  • wakeup 名: アプリで AlarmManager API を使用するときにプログラムで設定されたタグ
  • ANR アクティビティ名: ANR が発生したアクティビティ クラスの完全修飾名(利用可能な場合)
  • ANR の種類: ANR が発生したタイミング(例: サービスの実行中)(利用可能な場合)

項目の横にある [詳細を表示]()を選択すると、詳細(その内訳に関連するクラッシュや ANR が発生したクラスタなど)を確認できます(利用可能な場合)。

ヒント: 画面上部の切り替えボタンを使用して 1 つのカテゴリの指標を切り替えたり、ページをフィルタしたりできます。

データの種類と指標

Google Play Console では過去 90 日間、Play Developer Reporting API では 3 年間の Android Vitals のデータを利用できます。

データは、Android デバイスや OS バージョンからの使用状況と診断情報のデータについて、自動共有を有効に設定したユーザーから収集されるものです。Android ユーザーがデータ共有にオプトインする方法について詳しくは、アカウント ヘルプセンターをご覧ください。

Android Vitals は毎日更新されます。Android 10 以上を搭載したデバイスのデータは、Android 10 より前を搭載したデバイスのデータよりも早く到着することがあります。この場合、Android 10 以上のデータのみ利用可能な期間は、そのデータが表示されます。

注: Android Vitals の指標には、認定を受けていないデバイスモデル、または Google Play からインストールされていないアプリのバージョンで発生する技術的な問題は含まれません。

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安定性

ANR 発生率に関する指標

ANR 発生率に関する指標では、アプリの品質の概要が示されます。これらの指標は、ANR が発生したユーザーの数をアプリの使用状況に基づいて正規化することで計算され、1 日のアクティブ ユーザーの割合として報告されます。1 日のアクティブ ユーザーとは、1 日に 1 台のデバイスでアプリを使用したユーザーを指します。ユーザーが 1 日に複数のデバイスでアプリを使用した場合、デバイスごとにその日のアクティブ ユーザーとしてカウントされます。複数のユーザーが同じデバイスを 1 日に使用した場合は、1 人のアクティブ ユーザーとしてカウントされます。

ANR 発生率に関する指標には、以下の 3 種類があります。

  • ユーザーが認識した ANR 発生率: 少なくとも 1 回 ANR を認識した 1 日のアクティブ ユーザーの割合です。ユーザーが認識した ANR は、ユーザーが気付いた可能性が高い ANR です。現時点では、「入力ディスパッチがタイムアウトした」ANR のみがカウントされます。この指標は 1 日の使用状況に基づいて正規化されますが、すべての ANR がカウントされるわけではないため、全体的な ANR 発生率よりも常に数値は小さくなります。
    ユーザーが認識した ANR 発生率は主な指標のひとつであり、Google Play でのアプリの見つけやすさに影響します。この指標が重要な理由は、ここにカウントされる ANR はユーザーがアプリを使用中に発生するものであり、使用中断の原因となるためです。
  • ANR 発生率: 少なくとも 1 回 ANR が発生した 1 日のユーザーの割合です。この指標には、ユーザーが認識した ANR として分類されていない ANR が含まれますが、その ANR がユーザーに影響を与えていないとは保証できません。
  • 複数回 ANR 発生率: 2 回以上 ANR が発生した 1 日のユーザーの割合です。この指標は、問題がループしていることを把握するのに役立ちます。

問題を解決する

ANR 発生率に関する指標にカウントされる ANR は、[クラッシュと ANR] ページに表示されます。このページで、ユーザーが認識した ANR をフィルタできます。

ANR の診断と解決の手順については、Android デベロッパー サイトをご覧ください。

クラッシュ発生率に関する指標

クラッシュ発生率に関する指標では、アプリの品質の概要が示されます。これらの指標は、クラッシュが発生したユーザーの数をアプリの使用状況に基づいて正規化することで計算され、1 日のユーザーの割合として報告されます。1 日のユーザーとは、1 日に 1 台のデバイスでアプリを使用したユーザーを指します。ユーザーが複数のデバイスを使用している場合、そのユーザーは複数回カウントされます。たとえば、2 人のユーザーがそれぞれ 1 台のデバイスでアプリを 2 日間使用した場合、1 日のセッションの数は 4 とカウントされます。

クラッシュ発生率に関する指標には、以下の 3 種類があります。

  • ユーザーが認識したクラッシュ率: 少なくとも 1 回クラッシュを認識した 1 日のユーザーの割合です。ユーザーが認識したクラッシュは、ユーザーが気付いた可能性が高いクラッシュです。たとえば、アプリがアクティビティを表示しているときや、フォアグラウンド サービスとして実行しているときに発生するクラッシュです。この指標は 1 日の使用状況に基づいて正規化されますが、すべてのクラッシュがカウントされるわけではないため、全体的なクラッシュ発生率よりも常に数値は小さくなります。
    ユーザーが認識したクラッシュ発生率は主な指標のひとつであり、Google Play でのアプリの見つけやすさに影響します。この指標が重要な理由は、ここにカウントされるクラッシュはユーザーがアプリを使用中に発生するものであり、使用中断の原因となるためです。そこで、アプリがこの指標の不正な動作のしきい値を超えないようにする必要があります。
  • クラッシュ発生率: 少なくとも 1 回クラッシュが発生した 1 日のユーザーの割合です。この指標には、ユーザーが認識したクラッシュとして分類されていないクラッシュが含まれますが、そのクラッシュがユーザーに影響を与えていないとは保証できません。

  • 複数回クラッシュ発生率: 2 回以上クラッシュが発生した 1 日のユーザーの割合です。この指標は、問題がループしていることを把握するのに役立ちます。

問題を解決する

クラッシュの診断と解決の手順については、Android デベロッパー サイトをご覧ください。

スタートアップ時間と読み込み時間

スタートアップ時間(初期表示までの時間)

[スタートアップ時間] ページでは、アプリがコールドウォームホットの各システム状態から起動する時間が長くなった場合についての詳細が表示されます。 スタートアップ時間は、ユーザーがアプリを起動してから、最初のフレームが画面に表示されるまでの所要時間です。「初期表示までの時間」と呼ぶこともあります。

アプリに追加の読み込み画面がある場合など、この時間を過ぎても、アプリはユーザーが操作を開始できる状態にならないことがあります。

データ収集の詳細

  • スタートアップ時間は、ユーザーが操作を開始した場合にのみ記録されます。
    • : キーボード アプリの場合、スタートアップ時間はコンパニオン アプリのスタートアップ時間に相当します。
  • アプリが 1 日に複数回、同じシステム状態から起動した場合、その日の最も長いスタートアップ時間が記録されます。
  • スタートアップ時間は、アプリの最初のフレームが完全に読み込まれたときに記録され、これがユーザーの操作する画面ではない場合も対象になります。
    • : アプリがスプラッシュ画面から始まる場合、スタートアップ時間はスプラッシュ画面を表示するためにかかる時間となります。

指標の詳細

  • 影響を受けたセッションの数: 各システム状態でスタートアップ時間が長くなったセッションの割合です。
    • コールド スタートアップ時間が長い: 5 秒以上
    • ウォーム スタートアップ時間が長い: 2 秒以上
    • ホット スタートアップ時間が長い: 1 秒以上
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 1 日のセッションの 10% または 1% で、アプリのスタートアップ時間が長くなりました。

問題を解決する

アプリのスタートアップ時間が長くなる回数が多い場合は、おすすめの解決方法について Android デベロッパー サイトをご覧ください。

レンダリング

すべてのレンダリング

速度が遅いセッションの割合(30 FPS または 20 FPS)[ゲームのみ]

重要な理由

「速度が遅いセッション」から、ユーザーにとってゲームがどのくらいスムーズな動きや快適な使用感を実現しているかに影響する、ゲームのフレームレートのパフォーマンスを把握できます。

アプリのデータを理解する

[速度が遅いセッション] ページには、選択したベンチマークに応じて、25% を超えるフレームで速度が 30 FPS または 20 FPS のいずれかより遅かった 1 日のセッションの割合に関する詳細が表示されます。ゲームのフレームレート別のセッションの分布も確認できます(セッション レベルのフレームレートは 75 パーセンタイルで測定されます。つまり、75% のフレームが少なくともこのフレームレートを達成しています)。

Google Play のほとんどのゲームは、30 FPS 以上にする必要があります。これにより、プレイするゲームの種類に関係なく、妥当なユーザー エクスペリエンスが実現されます(ただし、特にハイエンド デバイスでは、60 FPS 以上を求めるユーザーもいます)。この基準を達成していること確認するには、速度が遅いセッションの割合(30 FPS)の指標をモニタリングしてください。この指標には、25% を超えるフレームが 30 FPS を達成していないセッションのみが含まれるため、フレームレートの変動を許容しています。

30 FPS あればエクスペリエンスは妥当となりますが、フレームレートがこれより低くても問題ないゲームの状況や種類もあります。また、ユーザーは 30 FPS に対応していないスマートフォンでゲームをプレイすることもあります。こうしたシナリオでも、セッション内の少なくとも 75% のフレームで 20 FPS 以上を達成する必要があります。この基準を満たしていることを確認するには、速度が遅いセッションの割合(20 FPS)の指標をモニタリングしてください。

Android Vitals には、デバイスごと、およびすべてのデバイスとセッション全体について、速度が遅いセッション(30 FPS)と速度が遅いセッション(20 FPS)のデータが表示されます。全体的な指標から全体的なユーザー エクスペリエンスを把握できますが、デバイスごとのパフォーマンスにも注意してください。将来的に、Google Play は、スマートフォンで 20 FPS を達成できないゲームが選択されないようにする予定です。

Vitals によるフレームレートのモニタリングは、ゲームの実行時間が 1 分を過ぎた後で開始されます。

データ収集の詳細

「速度が遅いセッション」の指標は、SurfaceFlinger から収集されたデータで計算されます。具体的には、セッションのフレームレートは、アプリが占有するサーフェスで描画されるフレーム間の時間に基づく推定値です。これには、OpenGL、Vulkan、Android UI ツールキットによってレンダリングされたフレームが含まれます。この指標は現在、ゲームでのみご利用いただけます。

「速度が遅いセッション」のフレームレート データは、Android 9 以降を搭載したデバイスで収集されます。

ダッシュボードの表示

  • 代表フレームレート: Android 9 以降を搭載したデバイスでのゲームのフレームレートのパフォーマンスです。75 パーセンタイルで計算されます。つまり、75% のセッションが、75% の確率で、このフレームレート以上を達成しているということになります。
  • 速度の遅いセッションの割合の推移: 速度が遅いセッションと判断されたセッションの割合を示す期間です。
  • フレームレートの分布: セッション全体での 75 パーセンタイルのフレームレートを示すヒストグラムです。つまり、セッション内のフレームの 75% が、セッションのバケットに使用されたフレームレートよりも速いということになります。

問題を解決する

アプリで「速度が遅いセッション」の数が多い場合は、おすすめの解決方法について Android デベロッパー サイトをご覧ください。

Android UI ツールキットの表示

過度に遅いフレーム [アプリのみ]

アプリのデータを理解する

[過度に遅いフレーム] ページでは、50% を超えるフレームで描画期限に間に合わなかった 1 日のセッションの割合に関する詳細が表示されます。ユーザーによるアプリの操作は、フレームの欠落や遅延なしに、60 フレーム/秒の速度で実行される必要があります。

データ収集の詳細

Google は、アプリで UI Toolkit フレームワークを使用して表示された各フレームの表示に要する時間を収集します。OpenGL または Vulkan で直接表示されたフレームについては収集しません。

ダッシュボードの表示

行を選択すると、パーセンタイル値に分解されたデータが表示されます。

  • 影響を受けたセッションの数: 50% を超えるフレームで表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回った 1 日のセッションの割合です。1 日のセッションとは、1 日の間にアプリの利用があった日を指します。たとえば、2 人のユーザーがアプリを 2 日間使用した場合、1 日のセッションの数は 4 とカウントされます。
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 全フレームの 90% または 99% で、フレームの表示に要する時間が表示された数値を下回りました。これらの数値は、収集されたすべてのフレームに基づいています。

表内のエントリをクリックすると、[UI の表示に要する時間の分布] グラフが表示されます。このグラフを見るときは、アプリのフレームの大部分で 16 ミリ秒を下回っていることを確認してください。

グラフの下にあるデータは、アプリの表示のパフォーマンスを示しています。表示時間に関する問題の根本原因を特定するのに役立ちます。たとえば、[高い入力レイテンシ] の割合が高い場合は、ユーザー入力を処理するアプリのコードを調べることをおすすめします。これらの指標について詳しくは、UI パフォーマンスをテストするをご覧ください。

  • 見つからなかった Vsync: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、見つからなかった Vsync イベントの数をフレーム数で割った値です。
  • 高い入力レイテンシ: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、処理時間が 24 ミリ秒を上回った入力イベントの数をフレーム数で割った値です。
  • 遅い UI スレッド: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、UI スレッドの処理時間が 8 ミリ秒を上回った回数をフレーム数で割った値です。
  • 遅い描画コマンド: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、GPU への描画コマンドの送信に要する時間が 12 ミリ秒を上回った回数をフレーム数で割った値です。
  • 遅いビットマップ アップロード: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、GPU へのビットマップのアップロードに要する時間が 3.2 ミリ秒を上回った回数をフレーム数で割った値です。

問題を解決する

アプリで表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったフレームの数が多い場合は、おすすめの解決方法について Android デベロッパー サイトをご覧ください。

過度にフリーズしたフレーム [アプリのみ]

アプリのデータを理解する

[過度に遅いフレーム] ページでは、50% を超えるフレームで描画期限に間に合わなかった 1 日のセッションの割合に関する詳細が表示されます。ユーザーによるアプリの操作は、フレームの欠落や遅延なしに、60 フレーム/秒の速度で実行される必要があります。

データ収集の詳細

Google は、アプリで UI Toolkit フレームワークを使用して表示された各フレームの表示に要する時間を収集します。OpenGL または Vulkan で直接表示されたフレームについては収集しません。

ダッシュボードの表示

行を選択すると、パーセンタイル値に分解されたデータが表示されます。

  • 影響を受けたセッションの数: 50% を超えるフレームで表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回った 1 日のセッションの割合です。1 日のセッションとは、1 日の間にアプリの利用があった日を指します。たとえば、2 人のユーザーがアプリを 2 日間使用した場合、1 日のセッションの数は 4 とカウントされます。
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 全フレームの 90% または 99% で、フレームの表示に要する時間が表示された数値を下回りました。これらの数値は、収集されたすべてのフレームに基づいています。

表内のエントリをクリックすると、[UI の表示に要する時間の分布] グラフが表示されます。このグラフを見るときは、アプリのフレームの大部分で 16 ミリ秒を下回っていることを確認してください。

グラフの下にあるデータは、アプリの表示のパフォーマンスを示しています。表示時間に関する問題の根本原因を特定するのに役立ちます。たとえば、[高い入力レイテンシ] の割合が高い場合は、ユーザー入力を処理するアプリのコードを調べることをおすすめします。これらの指標について詳しくは、UI パフォーマンスをテストするをご覧ください。

  • 見つからなかった Vsync: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、見つからなかった Vsync イベントの数をフレーム数で割った値です。
  • 高い入力レイテンシ: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、処理時間が 24 ミリ秒を上回った入力イベントの数をフレーム数で割った値です。
  • 遅い UI スレッド: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、UI スレッドの処理時間が 8 ミリ秒を上回った回数をフレーム数で割った値です。
  • 遅い描画コマンド: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、GPU への描画コマンドの送信に要する時間が 12 ミリ秒を上回った回数をフレーム数で割った値です。
  • 遅いビットマップ アップロード: 表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったすべてのフレームについて、GPU へのビットマップのアップロードに要する時間が 3.2 ミリ秒を上回った回数をフレーム数で割った値です。

問題を解決する

アプリで表示に要する時間が 16 ミリ秒を上回ったフレームの数が多い場合は、おすすめの解決方法について Android デベロッパー サイトをご覧ください。

バッテリー使用量

停止した wake lock と停止した部分的な wake lock(バックグラウンド)

[停止した部分的な wake lock] ページと [停止した部分的な wake lock(バックグラウンド)] ページには、アプリが PowerManager クラスを介して取得した部分的な wake lock が表示されます。部分的な wake lock では、CPU は動作していますが、画面やキーボードのバックライトをオフにすることができます。

データ収集の詳細

  • プライバシー保護のため、部分的な wake lock の識別タグは匿名化されます。
  • 部分的な wake lock に関するデータは、デバイスが充電中でなく、画面がオフになっているときに収集されます。
  • 停止した部分的な wake lock(バックグラウンド)に関するデータは、アプリがバックグラウンドで実行されているときにのみ収集されます。
  • Google では、長い wake lock の影響を受けるセッションの数を示すために、バッテリー セッションあたりの部分的な wake lock の最大時間を計算します。たとえば、ユーザーが 1 時間の wake lock を 2 回発生させた場合、Google は最大 wake lock 時間の値として 1 時間を使用します。
  • マニフェスト ファイルで sharedUserId を設定しているアプリの場合: 同じ sharedUserId を持つアプリが複数インストールされている場合、データは表示されません。

指標の詳細

  • 影響を受けたセッションの数: 1 時間を超える wake lock が 1 回以上発生したバッテリー セッションの割合です。
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 1 日のセッションの 10% または 1% で、部分的な wake lock の時間が表示された数値を上回りました。
  • 不正な動作のしきい値: 発生率がこのしきい値以上のアプリは、Google Play のインストール数上位 1,000 件のアプリのうちの下位 25% に含まれます。

問題を解決する

アプリで停止した部分的な wake lock の数が多い場合は、おすすめの解決方法について Android デベロッパー サイトをご覧ください。

過度の wakeup

[過度の wakeup] ページには、アプリによって引き起こされた Alarm Manager wakeup が表示されます。ELAPSED_REALTIME_WAKEUP クラスまたは RTC_WAKEUP クラスの wakeup データが表示されます。

データ収集の詳細

  • プライバシー保護のため、wakeup の識別タグは匿名化されます。
  • wakeup のデータはデバイスが充電中でないときに収集されます。
  • 正規化された指標を提供するため、wakeup の数はデバイスが電池を使用している時間と比較されます。高い wakeup 率の影響を受けるユーザー数を示すために、1 時間ごとのユーザー 1 人あたりの wakeup 数が計算されます。
  • マニフェスト ファイルで sharedUserId を設定しているアプリの場合: 同じ sharedUserId を持つアプリが複数インストールされている場合、データは表示されません。

指標の詳細

  • 影響を受けたセッションの数: 1 時間に 10 回を超える wakeup が発生したバッテリー セッションの割合です。バッテリー セッションとは、指定された 24 時間以内に受信したすべてのバッテリー レポートが集約されたものです。Android 10 では、バッテリー レポートは、2 回の充電(バッテリー残量が 20% 未満から 80% 超まで、または任意の残量から 100% まで)の間隔を指します。Android 11 以上では、バッテリー レポートは固定の 24 時間を指します。データは、デバイスが充電器に接続されていないときに収集されます。
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 1 日のセッションの 10% または 1% で、wakeup の 1 時間あたりの発生回数が表示された数値を上回りました。
  • 不正な動作のしきい値: 発生率がこのしきい値以上のアプリは、Google Play のインストール数上位 1,000 件のアプリのうちの下位 25% に含まれます。

問題を解決する

アプリで wakeup が頻繁に発生する場合は、おすすめの解決方法について Android デベロッパー サイトをご覧ください。

過度の Wi-Fi スキャン(バックグラウンド)

Wi-Fi スキャンによってバッテリー使用量が多くなると、[過度の Wi-Fi スキャン(バックグラウンド)] ページに表示されます。

データ収集の詳細

Wi-Fi スキャンに関するデータは、デバイスが充電中でなく、アプリがバックグラウンドで実行されているときに収集されます。

指標の詳細

  • 影響を受けたセッションの数: 1 時間に 4 回を超える Wi-Fi スキャンが発生したバッテリー セッションの割合です。
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 1 日のセッションの 10% または 1% で、Wi-Fi スキャン(バックグラウンド)の 1 時間あたりの発生回数が表示された数値を上回りました。

問題を解決する

バックグラウンドで Wi-Fi スキャンが発生する回数が多い場合は、Android デベロッパー サイトでおすすめの解決方法を探します。

過度のネットワーク使用量(バックグラウンド)

[過度のネットワーク使用量] ページは、大量のネットワーク データがバックグラウンド サービスに関連付けられている場合に表示されます。モバイル ネットワークがバックグラウンドで使用されている場合、ユーザーは簡単にコントロールからデータ転送を中止できません。

データ収集の詳細

モバイル ネットワーク使用量に関するデータは、デバイスが充電中でなく、アプリがバックグラウンドで実行されているときに収集されます。

指標の詳細

  • 影響を受けたセッションの数: バックグラウンドでの 1 日のネットワーク使用量が 50 MB を超えたバッテリー セッションの割合です。
  • セッションの数: 記録されたセッションのおおよその数です。
  • 90 パーセンタイル / 99 パーセンタイル: 1 日のセッションの 10% または 1% で、バックグラウンドでの 1 日のネットワーク使用量が表示された数値を上回りました。

問題を解決する

バックグラウンドでのネットワーク使用量が多い場合は、Android デベロッパー サイトでおすすめの解決方法を探します。

権限

権限の拒否

[権限の拒否] ページには、1 日の権限セッションのうち、ユーザーが権限リクエストを拒否した割合についての詳細が表示されます。1 日の権限セッションとは、アプリでユーザーに対し権限が 1 回以上リクエストされた日を示します。

データ収集の詳細

権限の拒否に関するデータは、ユーザーがアプリ内の権限リクエストに応答した場合に収集されます。

指標の詳細

  • 拒否: 1 日の権限セッションのうち、ユーザーが権限リクエストを拒否した割合です。
  • 次回から表示しない: 1 日の権限セッション数における、ユーザーが [次回から表示しない] を選択して権限リクエストを拒否した割合です。
  • 合計セッション数: 記録されたセッションのおおよその数です。

問題を解決する

アプリで権限が拒否される回数が多い場合は、Android デベロッパー サイトでおすすめの解決方法を探します。

主な指標の不正な動作のしきい値

Google Play では、アプリの主な指標に対し、不正な動作のしきい値が定義されています。

アプリが不正な動作のしきい値を超えると、Google Play で見つかりにくくなる可能性があります。アプリの不正な動作が特定のデバイスモデルで発生する場合、Google Play は、そのデバイスでは該当するタイトルの使用をやめて、より適した別のアプリを使用するようユーザーを誘導します。場合によっては、ユーザーが事前に認識できるようアプリのストアの掲載情報に警告が表示され、技術的品質の高い別のアプリを探すためのオプションが提供されることもあります。

Google Play では通常、過去 28 日間のデータを基にアプリの品質を評価しますが、不正な動作が急増した場合は、もっと早く対応することもあります。

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安定性

ユーザーが認識した ANR 発生率のしきい値

Google Play では、ユーザーが認識した ANR 発生率に対し、不正な動作のしきい値が定義されています。

  • 全体的な不正な動作: すべてのデバイスモデルで、1 日のアクティブ ユーザーの 0.47% 以上が ANR を認識しています。

  • デバイスごとの不正な動作: 1 つのデバイスモデルで、1 日のアクティブ ユーザーの 8% 以上が ANR を認識しています。

ANR 発生率を改善するには、[クラッシュと ANR] ページで、ANR の原因となっているクラスタを修正します。影響を受けるユーザーの数が多いほど、そのクラスタの ANR 発生率が高くなります。

デバイスのハードウェアやソフトウェアが ANR 発生率の原因となっている可能性がある場合は、Android Vitals から通知されます。また、[リーチとデバイスの概要] ページ([リリース] > [リーチとデバイス] > [概要])で関連性を調べることもできます。

ユーザーが認識したクラッシュ率のしきい値

Google Play では、ユーザーが認識したクラッシュ率に対し、不正な動作のしきい値が定義されています。

  • 全体的な不正な動作: すべてのデバイスモデルで、1 日のユーザーの 1.09% 以上が ANR を認識しています。

  • デバイスごとの不正な動作: 1 つのデバイスモデルで、1 日のユーザーの 8% 以上がクラッシュを認識しています。

クラッシュ発生率を改善するには、[クラッシュと ANR] ページで、クラッシュの原因となっているクラスタを修正します。影響を受けるユーザーの数が多いほど、そのクラスタのクラッシュ発生率が高くなります。

デバイスのハードウェアやソフトウェアがクラッシュ発生率の原因となっている可能性がある場合は、Android Vitals から通知されます。また、[リーチとデバイスの概要] ページ([リリース] > [リーチとデバイス] > [概要])で関連性を調べることもできます。

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