初めての Android アプリを作成して実行する

1. はじめに

この Codelab では、Android Studio に用意されている基本的なアプリのテンプレートから、初めての Android アプリ（Happy Birthday）を作成します。また、Android プロジェクトの概要や、Android Studio でさまざまなウィンドウを使用する方法について学習します。

前提条件

ワープロやスプレッドシートなどのアプリケーションの設定、構成、使用に精通していること

学習内容

テンプレートを使用して Android アプリ用の Android Studio プロジェクトを作成する方法

作成するアプリの概要

テンプレートを使った基本的な Android アプリ

必要なもの

Android Studio がインストールされているパソコン

2. 初めてのアプリを作成する

このタスクでは、Android Studio に用意されているプロジェクトテンプレートを使用して Android アプリを作成します。

プロジェクトテンプレート

Android Studio のプロジェクトテンプレートは、必要なものをすべて備えた Android アプリですが、それだけでできることはほとんどありません。迅速に開始し、作業を効率化することが目的です。Android Studio のテンプレートの例としては、マップを使用するアプリや、画面を複数使用するアプリなどがあります。

Empty Activity プロジェクトを作成する

この手順では、新しいアプリ用に、Empty Activity プロジェクトテンプレートを使用して新しい Android Studio プロジェクトを作成します。

Android Studio アイコンをクリックして Android Studio を起動します（まだ開いていない場合）。

[Welcome to Android Studio] ウィンドウが開きます。[New project] をクリックします。

[New Project] ウィンドウが開き、Android Studio に用意されているテンプレートのリストが表示されます。

上部のタブをクリックしてスクロールすると、テンプレートの一覧が確認できます。さまざまなデバイス（スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなど）や、さまざまなアプリ（スクロール可能な画面を使用するアプリ、マップを使用するアプリ、高度なナビゲーションを備えたアプリ）のテンプレートが用意されています。
ウィンドウの左上にある [Phone and Tablet] タブをクリックします。
最上段にある [Empty Activity] テンプレートをクリックし、プロジェクトのテンプレートとして選択します。

[Empty Activity] テンプレートは、アプリの作成に使用できる最もシンプルなテンプレートです。画面は 1 つで、単純な「Hello World!」というメッセージが表示されます。

ウィンドウの下部にある [Next] をクリックします。[New Project] ダイアログが開きます。

プロジェクトを次のように設定します。

[Name] はアプリの名前です。[Name] の下にあるボックスに、プロジェクト名として「Happy Birthday」と入力します。
[Package name] は、アプリを一意に識別するために Android システムが使用する名前です。通常は、組織名に続けてアプリの名前（すべて小文字）がデフォルトで設定されます（例: com.example.happybirthday）。
[Save location] は、プロジェクトに関連するすべてのファイルが保存される場所です。ファイルを見つけられるように、パソコンのどこにあるかをメモしておきます。今回は、保存場所をそのままにしておいても構いません。
[Language] は、プロジェクトに使用するプログラミング言語を定義します。[Language] が Kotlin になっていることを確認します。
[Minimum SDK] は、アプリを実行できる Android の最小バージョンを示します。プルダウンリストから API 19: Android 4.4 (KitKat) を選択します。

[Minimum SDK] の下には、選択した API レベルでアプリを実行できるデバイスの数に関する情報が記載されています。[Help me choose] リンクをクリックすると、次のように Android のさまざまなバージョンのリストを表示できます。[New Project] ウィンドウに戻ります。

[New Project] ウィンドウで、[Use legacy android.support libraries] のチェックボックスがオフになっていることを確認します。詳細を確認するには、疑問符アイコンをクリックします。
[Finish] をクリックします。

Android Studio で、プロジェクトとそのファイルがすべて開きます。

Android Studio を最初に開いたとき、次のようにウィンドウが 3 つ表示されます。

（1）[Project] ウィンドウ。プロジェクトのファイルとフォルダが表示されます。

（2）[Editing] ウィンドウ。コードの編集に使用します。

（3）[What's New] ウィンドウ。最新情報や便利なヒントが表示されます。

Android Studio でプロジェクトの設定が進行中である場合、右下の進行状況バーまたはメッセージが次のように表示されます。

Android Studio でプロジェクトの設定が完了するまで待ちます。プロジェクトが完了すると、左下に次のようなメッセージが表示されます。

3.仮想デバイス（エミュレータ）でアプリを実行する

このタスクでは、デバイスマネージャーを使用してモバイルデバイスのソフトウェアバージョン（エミュレータ）を作成し、パソコン上で実行します。仮想デバイス（エミュレータ）は、スマートフォンなど、特定の種類の Android デバイス用に構成をシミュレートします。該当する Android システムバージョンを搭載したスマートフォンやタブレットなどを設定できます。その後、仮想デバイスを使用して、Empty Activity テンプレートで作成したアプリを実行します。

Android Virtual Device（AVD）を作成する

パソコンでエミュレータを実行するには、まず仮想デバイスの構成を作成します。

Android Studio のメニューバーで、[Tools] > [Device Manager] を選択します。

デバイスマネージャーが次のように表示されます（以前作成したデバイスがあれば、ここに表示されます）。

[Create device] をクリックします。

[Select Hardware] ウィンドウが表示されます。

[Select Hardware] ウィンドウには、事前設定済みのデバイスのリストがカテゴリ別に表示されます。デバイスごとに、ディスプレイサイズ [Size]、ピクセル単位の画面解像度 [Resolution]、ピクセル密度 [Density] の列が表に表示されます。

カテゴリで [Phone] を選択します。
スマートフォン（Pixel 5 など）を選択し、[Next] をクリックします。任意のスマートフォンを選択できますが、この Codelab では新しいデバイスを選択します。

[System Image] ウィンドウが表示されます。仮想デバイスで実行する Android システムのバージョンを選択します。これにより、さまざまなバージョンの Android システムでアプリをテストできます。

[Recommended] タブで、仮想デバイスで実行する Android システムのバージョンとして S を選択します。これは執筆時点で最新バージョンの Android ですが、これより後の安定版を選択することもできます。安定版のリストについては、こちらをご覧ください。

[Next] をクリックします。

[Android Virtual Device (AVD)] ウィンドウが表示され、デバイスの詳細設定を行えます。

[AVD Name] フィールドに、Android Virtual Device の名前を入力します。これ以外は変更しないでください。
[Finish] をクリックします。

[Device Manager] ウィンドウに新しい仮想デバイスが表示され、使用できるようになります。

仮想デバイスでアプリを実行する

Android Studio がフォアグラウンドにない場合は、フォアグラウンドに移動します。
Android Studio のツールバーで、次の例のような仮想デバイスのプルダウンメニューを探し、作成した仮想デバイスをプルダウンリストから選択します。または、[Run] > [Select Device] をクリックし、ポップアップに表示される利用可能なデバイスから、作成した仮想デバイスを選択します。
Android Studio で、[Run] > [Run app] を選択するか、ツールバーの実行アイコンをクリックします。仮想デバイスが実機と同じように起動します。パソコンの処理速度によっては時間がかかる場合があります。

アプリの準備が整うと、次の例のように仮想デバイス上で開きます。

これで、仮想デバイスが稼働した状態になりました。タイトルが「Happy Birthday」になり、画面に「Hello World!」と表示されています。

4. プロジェクトファイルを探す

プロジェクトを構成すると、Android Studio によって、「AndroidStudioProjects」という、すべての Android プロジェクト用のフォルダがパソコン上に作成されます。「AndroidStudioProjects」フォルダには、アプリと同じ名前のフォルダ（この場合は「HappyBirthday」）も作成されます。

「HappyBirthday」フォルダが、今回のアプリのプロジェクトフォルダです。プロジェクトフォルダには、自身が作成したファイルと Android Studio により作成されたファイルの両方が保存されます。

Android Studio の画面左側の [Project] ウィンドウを確認します。[Project] ウィンドウには、プロジェクトのファイルとフォルダが表示されます。

[Project] ウィンドウ内のファイルは、コードを作成する際にプロジェクトファイル間を簡単に移動できるように整理されています。ただし、Finder や Windows エクスプローラーなどのファイルブラウザでファイルを確認すると、ファイル階層の構成が大きく異なります。

このタスクでは、プロジェクトフォルダ階層の 2 種類のビューを調べます。

Android Studio の [Project] ウィンドウで、左上のプルダウンメニューから [Android] を選択します。

次のようなファイルリストが表示されます。

このビューとファイル構成は、プロジェクトのコードを作成する際に役立ちます。

Finder（macOS）やエクスプローラー（Windows）などのファイルブラウザで表示されるとおりにファイルを表示することもできます。

[Project] ウィンドウで、プルダウンメニューから [Project Source Files] を選択します。

タイトルが、プロジェクトファイルが保存されているフォルダに変わります。

これで、ファイルエクスプローラーと同じようにファイルを閲覧できるようになりました。

前のビューに戻すには、[Project] ウィンドウでもう一度 [Android] を選択します。

これで、テンプレートからアプリを作成して実行し、プロジェクトファイルの場所を探せるようになりました。

5. まとめ

新しいプロジェクトを作成するには、Android Studio を起動し、[+ Start a new Android Studio project] をクリックしてプロジェクトに名前を付け、テンプレートを選択して詳細を入力します。
アプリを実行する Android 仮想デバイス（エミュレータ）を作成するには、[Tools] > [Device Manager] を選択してから、デバイスマネージャーを使用してハードウェアデバイスとシステムイメージを選択します。
仮想デバイスでアプリを実行するには、デバイスが作成されていることを確認し、ツールバーのプルダウンメニューでデバイスを選択してから、ツールバーの実行アイコンをクリックしてアプリを実行します。
プロジェクトファイルを検索するには、[Project] ウィンドウでプルダウンから [Project Source Files] を選択します。