StateFlow
は Flow から状態の最新情報を適切に出力するための、また SharedFlow
は Flow から値を複数のコンシューマに出力するための Flow API です。
StateFlow
StateFlow
現在の状態と新しい状態を出力する状態ホルダーの監視可能な Flow
更新されません。現在の状態の値は、
value
プロパティです。状態を更新してこの Flow に送信するには、MutableStateFlow
クラスの value
プロパティに新しい値を割り当てます。
Android において、StateFlow
は状態を変更可能かつ監視可能に維持する必要のあるクラスに最適です。
Kotlin Flow の例に続けて、StateFlow
を LatestNewsViewModel
から公開し、View
が UI 状態の更新をリッスンできるようにすることで、設定を変更しても画面の状態が正常に維持されるようにできます。
class LatestNewsViewModel(
private val newsRepository: NewsRepository
) : ViewModel() {
// Backing property to avoid state updates from other classes
private val _uiState = MutableStateFlow(LatestNewsUiState.Success(emptyList()))
// The UI collects from this StateFlow to get its state updates
val uiState: StateFlow<LatestNewsUiState> = _uiState
init {
viewModelScope.launch {
newsRepository.favoriteLatestNews
// Update View with the latest favorite news
// Writes to the value property of MutableStateFlow,
// adding a new element to the flow and updating all
// of its collectors
.collect { favoriteNews ->
_uiState.value = LatestNewsUiState.Success(favoriteNews)
}
}
}
}
// Represents different states for the LatestNews screen
sealed class LatestNewsUiState {
data class Success(val news: List<ArticleHeadline>): LatestNewsUiState()
data class Error(val exception: Throwable): LatestNewsUiState()
}
MutableStateFlow
の更新を担うクラスがプロデューサであり、StateFlow
から収集を行うすべてのクラスがコンシューマです。flow
ビルダーを使用して作成された「コールド」Flow とは異なり、StateFlow
は「ホット」です。つまり、この Flow から収集してもプロデューサ コードはトリガーされません。StateFlow
は常にアクティブでメモリに常駐しており、ガベージ コレクションの対象となるのはガベージ コレクション ルートからの参照が他にない場合のみです。
新しいコンシューマは、Flow からの収集を開始すると、ストリームの最後の状態とその後の状態を受け取ります。この動作は、LiveData
などの他の監視可能なクラスと同様です。
View
による StateFlow
のリッスンは、他の Flow の場合と同様、次のように行います。
class LatestNewsActivity : AppCompatActivity() {
private val latestNewsViewModel = // getViewModel()
override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
...
// Start a coroutine in the lifecycle scope
lifecycleScope.launch {
// repeatOnLifecycle launches the block in a new coroutine every time the
// lifecycle is in the STARTED state (or above) and cancels it when it's STOPPED.
repeatOnLifecycle(Lifecycle.State.STARTED) {
// Trigger the flow and start listening for values.
// Note that this happens when lifecycle is STARTED and stops
// collecting when the lifecycle is STOPPED
latestNewsViewModel.uiState.collect { uiState ->
// New value received
when (uiState) {
is LatestNewsUiState.Success -> showFavoriteNews(uiState.news)
is LatestNewsUiState.Error -> showError(uiState.exception)
}
}
}
}
}
}
任意のフローを StateFlow
に変換するには、次のコマンドを使用します。
stateIn
中間演算子を使用します。
StateFlow、Flow、LiveData
StateFlow
と LiveData
は類似しています。どちらも監視可能なデータホルダー クラスであり、アプリ アーキテクチャでは同様のパターンで使用されます。
ただし、StateFlow
と LiveData
の動作は異なります。
StateFlow
では初期状態をコンストラクタに渡す必要がありますが、LiveData
ではその必要はありません。LiveData.observe()
では、ビューがSTOPPED
状態になるとコンシューマが自動的に登録解除されますが、StateFlow
またはその他の Flow からの収集では、収集は自動的には停止されません。同じことを 動作を確認するには、Lifecycle.repeatOnLifecycle
からフローを収集する必要があります。 ブロックします。
shareIn
を使用したコールド Flow のホット化
StateFlow
は、「ホット」Flow です。つまり、収集されている間やガベージ コレクション ルートからの参照が他に存在する場合は、メモリ内に常駐します。コールドフローをホットにするには、
shareIn
演算子を使用します。
Kotlin Flow で作成した callbackFlow
を例にとると、各コレクタで新しい Flow を作成する代わりに、shareIn
を使用することで Firestore から取得したデータをコレクタ間で共有できます。それには、次の情報を渡す必要があります。
- Flow の共有に使用する
CoroutineScope
。このスコープは、共有 Flow を必要な期間存続させるために、どのコンシューマよりも長く存続させる必要があります。 - 新しいコレクタそれぞれに対してリプレイするアイテムの数。
- 開始動作ポリシー。
class NewsRemoteDataSource(...,
private val externalScope: CoroutineScope,
) {
val latestNews: Flow<List<ArticleHeadline>> = flow {
...
}.shareIn(
externalScope,
replay = 1,
started = SharingStarted.WhileSubscribed()
)
}
この例では、latestNews
Flow は、最後に出力されたアイテムを新しいコレクタにリプレイし、externalScope
とアクティブなコレクタが存在する限りアクティブな状態を維持します。SharingStarted.WhileSubscribed()
開始ポリシーは、アクティブなサブスクライバが存在する間は、アップストリーム プロデューサをアクティブに保ちます。他の開始ポリシーとして、プロデューサをすぐに開始する SharingStarted.Eagerly
や、最初のサブスクライバが現れたときに共有を開始し、Flow を永続的にアクティブに保つ SharingStarted.Lazily
などを利用できます。
SharedFlow
shareIn
関数からは SharedFlow
が返されます。これはホット Flow で、そこからの収集を行うすべてのコンシューマに値を出力します。SharedFlow
は、StateFlow
を一般化して詳細な設定を可能にしたものです。
SharedFlow
は、shareIn
を使用せずに作成できます。たとえば、SharedFlow
を使用すると、アプリの他の部分にティックを送信して、定期的にすべてのコンテンツをまとめて更新するといったことができます。最新ニュースの取得はもちろん、ユーザー情報セクションをお気に入りトピックのコレクションで更新することもできます。次のコード スニペットでは、TickHandler
で SharedFlow
を公開し、他のクラスがコンテンツ更新のタイミングを認識できるようにしています。StateFlow
の場合と同様、クラス内で MutableSharedFlow
タイプのバッキング プロパティを使用して、次のようにアイテムを Flow に送信します。
// Class that centralizes when the content of the app needs to be refreshed
class TickHandler(
private val externalScope: CoroutineScope,
private val tickIntervalMs: Long = 5000
) {
// Backing property to avoid flow emissions from other classes
private val _tickFlow = MutableSharedFlow<Unit>(replay = 0)
val tickFlow: SharedFlow<Event<String>> = _tickFlow
init {
externalScope.launch {
while(true) {
_tickFlow.emit(Unit)
delay(tickIntervalMs)
}
}
}
}
class NewsRepository(
...,
private val tickHandler: TickHandler,
private val externalScope: CoroutineScope
) {
init {
externalScope.launch {
// Listen for tick updates
tickHandler.tickFlow.collect {
refreshLatestNews()
}
}
}
suspend fun refreshLatestNews() { ... }
...
}
SharedFlow
の動作は、次の方法でカスタマイズできます。
replay
を使用すると、以前に出力された複数の値を新しいサブスクライバに再送信できます。onBufferOverflow
を使用すると、バッファが送信アイテムでいっぱいになったときのポリシーを指定できます。デフォルト値はBufferOverflow.SUSPEND
で、呼び出し元を停止します。他のオプションには、DROP_LATEST
とDROP_OLDEST
があります。
MutableSharedFlow
には、アクティブなコレクタの数を示す subscriptionCount
プロパティもあり、それに応じてビジネス ロジックを最適化できます。また、MutableSharedFlow
には resetReplayCache
関数も含まれており、Flow に送信された最新情報をリプレイしない場合に使用できます。
Flow に関する参考情報
- Android での Kotlin Flow
- Android での Kotlin Flow のテスト
- Flow の shareIn 演算子と stateIn 演算子について知っておくべきこと
- LiveData から Kotlin Flow に移行する
- Kotlin のコルーチンと Flow に関する参考情報