Android 10(API レベル 29)以降の Android システムでは、完全なジェスチャーベースのナビゲーションをサポートしています。アプリにこの機能との互換性を持たせるには、アプリ デベロッパーが次の 2 つのことを行う必要があります。
- アプリのコンテンツを画面全体に拡大する(エッジ ツー エッジへの対応)。
- 競合するアプリ ジェスチャーに対処する。
また、Android 13(API レベル 33)では、スマートフォン、大画面、折りたたみ式デバイスなどの Android デバイス向けに、マルチイヤー リリースの一部として予測型「戻る」ジェスチャーが導入されています。アプリ デベロッパーは、自分のアプリが予測型「戻る」ジェスチャーをサポートするように手順を実施できます。
エッジ ツー エッジのアプリ コンテンツを提供する
フローティング ナビゲーション バーによって利用できるようになった画面スペースを利用するには、アプリで特定の変更を構成する必要があります。
詳しくは、アプリでコンテンツをエッジ ツー エッジで表示するをご覧ください。
競合するアプリ ジェスチャーに対処する
ジェスチャー ナビゲーション モデルは、アプリ デベロッパーが以前に使用していたジェスチャーと競合することがあります。そのため、アプリのユーザー インターフェースの調整が必要になることがあります。
「戻る」ジェスチャーと競合する
「戻る」の新しいシステム ジェスチャーは、画面の左または右端から内側へのスワイプです。このジェスチャーが、これらの領域内におけるアプリのナビゲーション要素を妨げる可能性があります。画面の左右端の要素の機能を維持するには、タップ入力を受け取る必要がある領域をシステムに示すことで、「戻る」ジェスチャーを選択的に無効にします。これを行うには、Android 10 で導入された View.setSystemGestureExclusionRects()
API に List<Rect>
を渡します。このメソッドは、androidx.core:core:1.1.0-dev01
以降の ViewCompat
でも使用できます。
例:
Kotlin
var exclusionRects = listOf(rect1, rect2, rect3) fun onLayout( changedCanvas: Boolean, left: Int, top: Int, right: Int, bottom: Int) { // Update rect bounds and the exclusionRects list setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects) } fun onDraw(canvas: Canvas) { // Update rect bounds and the exclusionRects list setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects) }
Java
List<Rect> exclusionRects; public void onLayout( boolean changedCanvas, int left, int top, int right, int bottom) { // Update rect bounds and the exclusionRects list setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects); } public void onDraw(Canvas canvas) { // Update rect bounds and the exclusionRects list setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects); }
ホーム ジェスチャーまたはクイック スイッチ ジェスチャーとの競合
ホームとクイック スイッチの新しいシステム ジェスチャーは、以前はナビゲーション バーが表示されていた画面下部のスペースでのスワイプです。アプリは、これらのジェスチャーを「戻る」ジェスチャーのように無効にすることはできません。
この問題を軽減するために、Android 10 では、タッチ認識のしきい値をアプリに通知する WindowInsets.getMandatorySystemGestureInsets()
API が導入されています。
ビュー階層のないゲームやアプリ
ビュー階層のないゲームなどのアプリでは、多くの場合、ユーザーはシステム ジェスチャー領域の近くをスワイプする必要があります。この場合、ゲームは Window.setSystemGestureExclusionRects()
を使用して、システム ジェスチャー領域に重なる領域を除外することができます。ゲームプレイ中など、必要なときのみこうした領域を除外するように注意する必要があります。
ゲームでユーザーがホーム ジェスチャー領域の近くをスワイプする必要があれば、アプリは没入モードで配置するようにリクエストできます。これによって、ゲームの操作中はシステム ジェスチャーが無効になりますが、ユーザーは画面を下からスワイプすることで、システム ジェスチャーを再度有効にすることができます。
予測型「戻る」ジェスチャーをサポートするようにアプリを更新する
Android 13(API レベル 33)では、スマートフォン、大画面、折りたたみ式デバイスなどの Android デバイス向けに予測型「戻る」ジェスチャーが導入されました。予測型「戻る」ジェスチャーは、複数年のリリースの一部です。この機能が完全に実装されると、ユーザーは「戻る」ジェスチャーのデスティネーションやその他の結果を、完了前にプレビューして、現在のビューで操作を続けるかそのまま留まるかを決定できるようになります。
詳しくは、予測型「戻る」ジェスチャーのサポートを追加するをご覧ください。
参考情報
ジェスチャー ナビゲーションについて詳しくは、以下をご覧ください。