このドキュメントでは、Android Studio 2.2 以降のユーザー補助機能について説明します。
スクリーン リーダーの互換性
スクリーン リーダーは現在、Windows 上の Android Studio でのみサポートされています。
Windows ではさまざまなスクリーン リーダーを使用できますが、Android Studio との互換性はさまざまです。
- NVDA: Android Studio のユーザー補助サポートの開発時に一般的なスクリーン リーダーだったため、NVDA 2015 以降を使用することをおすすめします。32 ビット版の NVDA を使用する場合、このバージョンの NVDA が Android Studio と連携するには
C:\Windows\SysWOW64\WindowsAccessBridge-32.DLL
が必要なため、マシンに 32 ビット JRE をインストールする必要があります。NVDA がこのファイルを特定できない場合は、NVDA のイベントログ ウィンドウに「Java Access Bridge not available」というメッセージが表示されます。 - JAWS: Android Studio と JAWS の併用はおすすめしません。JAWS の使用中に Android Studio の特定の場所内を移動すると深刻なパフォーマンス問題を引き起こす可能性があるためです。
- Windows Eyes: Android Studio と Windows Eyes の併用もおすすめしません。セットアップ中に Windows Eyes がマシン上で検出されたすべての JDK と JRE のユーザー補助ライブラリを Android Studio と互換性のない古いバージョンで上書きするためです。
- 組み込みの Windows ナレーター: 一般的に Java のユーザー補助機能には対応していないため、Windows ナレーターはおすすめしません。
スクリーン リーダーのサポートを有効にする
Windows マシン上の Android Studio でスクリーン リーダーを設定するには、次の手順を行います。
- スクリーン リーダーをインストールします。
次のように、スクリーン リーダーに応じて適切な Java バージョンがインストールされていることを確認します。
- スクリーン リーダーが 32 ビットの場合は、32 ビットの JRE バージョン 1.7 以降をインストールします。
- スクリーン リーダーが 64 ビットの場合は、64 ビットの JRE バージョン 1.7 以降をインストールします。
Java Access Bridge を有効にするには、コマンド プロンプトを開き「
JRE_HOME\bin\jabswitch -enable
」と入力します。JRE_HOME
はマシン上の JRE のディレクトリです。お使いのマシンに Java Access Bridge の重要なコンポーネントのバージョンが複数存在し、バージョン間で互換性がない場合があります。Java Access Bridge の設定が正しいことを確認するには、下記の説明に沿って、以下の重要なファイルの正しいバージョンが存在することを確認します。
スクリーン リーダーが 32 ビットの場合:
C:\Windows\SysWOW64\WindowsAccessBridge-32.DLL
が存在し、バージョン番号が 7.x.x.x 以降であることを確認します。ファイルの記述は「Java(TM)Platform SE 7」になっているはずです。JRE_HOME\lib\ext\access-bridge-64.jar
ファイルとJRE_HOME\jre\lib\ext\jaccess.jar
ファイル(JRE_HOME
はマシン上の JRE のホーム ディレクトリ)の更新日がディレクトリ内の他のファイルと同じであることを確認します。それらのファイルの最終変更日が各ディレクトリにある他のファイルの日付と異なる場合は、ファイルが Windows Eyes インストーラによって上書きされている可能性があります。この場合は、JDK / JRE を再インストールして、これらのファイルの正しいバージョンを実行していることを確認する必要があります。
スクリーン リーダーが 64 ビットの場合:
C:\Windows\System32\WindowsAccessBridge-64.DLL
が存在し、バージョン番号が 7.x.x.x 以降であることを確認します。ファイルの記述は「Java(TM)Platform SE 7」になっているはずです。JRE_HOME\lib\ext\access-bridge-64.jar
ファイルとJRE_HOME\jre\lib\ext\jaccess.jar
ファイル(JRE_HOME
はマシン上の JRE のホーム ディレクトリ)の更新日がディレクトリ内の他のファイルと同じであることを確認します。それらのファイルの最終変更日が各ディレクトリにある他のファイルの日付と異なる場合は、ファイルが Windows Eyes インストーラによって上書きされている可能性があります。この場合は、JDK / JRE を再インストールして、これらのファイルの正しいバージョンを実行していることを確認する必要があります。
Android Studio でスクリーン リーダーのサポートを有効にするには、[File] > [Settings] > [Appearance & Behavior] > [System Settings] をクリックし、[Support screen readers] チェックボックスをオンにしてから、Android Studio を再起動します。この設定によって、Android Studio の操作性がスクリーン リーダーのユーザー向けに最適化されます(キーボード ナビゲーションのカスタマイズなど)。Jaws を使用している場合、この設定を有効にするには、Android Studio を起動する前に Jaws を起動する必要があります。
キーボードを使用する
キーボード ショートカットを使用して、Android Studio のすべてのコントロール間を移動できます。
注: Android Studio の一部の要素は、スクリーン リーダーのオブジェクト ナビゲーション(または同様の)機能を使用している場合にのみキーボードでアクセスできます。オブジェクト ナビゲーションや同等の機能の詳細については、スクリーン リーダーのドキュメント(NVDA ユーザーガイドなど)をご覧ください。
ここでは、Android Studio 内を移動する際に便利なキーボード ショートカットについて説明します。Android Studio のデフォルトのキーボード ショートカットの詳しいガイドについては、キーボード ショートカットをご覧ください。
メインメニューを有効にする
メインメニューなどの最上位メニューを開くには、次のショートカットを使用します。
- メインメニューを開くには、F10 キーを押します。
- Windows マシンで最上位のメニューを開くには、Alt+[ニーモニック] キーを押します。たとえば、ファイル メニューを開くには、Alt+F キーを押します。
ファイル間やツール ウィンドウ間を移動する
ファイル間やツール ウィンドウ間を移動するには、次のショートカットを使用します。
- ツール ウィンドウに移動するには、Alt+数字キー(Mac では command+数字キー)を押します。たとえば、[Project structure] ツール ウィンドウに移動するには、Alt+0 キー(Mac では command+0 キー)を押します。
- ファイルとツール ウィンドウの間を移動するには、Ctrl+Tab キー(Mac では command+Tab キー)を押します。すべてのエントリ間を移動するには、Ctrl+Tab キーを押し続けます。
ナビゲーション バーを使用する
ナビゲーション バーを使用すると、次のショートカットを使用してプロジェクト内のファイル間を移動できます。
- ナビゲーション バーを有効にするには、Alt+Home キー(Mac の場合は option+fn+左矢印キー)を押します。
- ナビゲーション階層内のアイテムを切り替えるには、左矢印または右矢印を押します。
- 現在のアイテムの内容を表示するポップアップ ウィンドウを開くには、スペースバーを押します。
コードの折りたたみを無効にする
Android Studio エディタではデフォルトで、テキストの一部が展開可能な領域に折りたたまれています。たとえば、Java ソースファイルの先頭にある「import」リストは、「import …
」というテキストを含む 1 行に折りたたまれています。
スクリーン リーダーを使用する場合、コードを折りたたむとナビゲーションが難しくなります。コードの折りたたみオプションを変更するには、[File] > [Settings] > [Editor] > [General] > [Code Folding](Mac では [File] > [Properties] > [Editor] > [General] > [Code Folding])をクリックします。
自動挿入機能を無効にする
Android Studio ではデフォルトで、閉じる側の中かっこ、引用符、かっこが自動的に挿入されます。
スクリーン リーダーを使用する場合、自動挿入は役に立たない可能性があります。自動挿入オプションを変更するには、[File] > [Settings] > [Editor] > [General] > [Smart Keys](Mac では [File] > [Properties] > [Editor] > [General] > [Smart Keys])をクリックします。
自動コード補完ポップアップを無効にする
Android Studio ではデフォルトで、特定のキー入力によりコード補完ポップアップが自動的に表示され、一致する項目が 1 つしかない場合はその項目が自動挿入されます。この動作により、スクリーン リーダーで混乱が生じる可能性があります。
コード補完の自動ポップアップと自動挿入のオプションを変更するには、[File] > [Settings] > [Editor] > [General] > [Code Completion](Mac では [File] > [Properties] > [Editor] > [General] > [Code Completion])をクリックします。
エラー、警告、コード インスペクションにアクセスする
キーボードを使用して、エラー、警告、コード インスペクションを表示したり、項目間を移動したりします。
プロジェクト内のすべてのファイルのエラーを確認する
[Build] > [Make Project] をクリックすると、[Messages] ウィンドウにすべての警告とエラーが表示されます。[Messages] ウィンドウには Android Studio 2.2 以降でアクセスできます(バグ履歴の表示)。
[Messages] ウィンドウでエラーを確認するには、次のショートカットを使用します。
- [Messages] ウィンドウを有効にするには、Alt+0 キー(Mac では option+0 キー)を押します。
- すべてのメッセージ間を移動するには、上下の矢印を押します。
または、テキスト エディタを使用して、すべてのエラーを表示したり、エラー間を移動したりできます。エディタを使用してエラーを確認するには、Ctrl+Alt+上下矢印キー(Mac では command+option+上下矢印キー)を押します。
1 つのファイルのエラーとコード インスペクションを確認する
1 つのファイル内のエラーを確認するには、次のショートカットを使用します。
- 次のエラーや前のエラーに移動するには、F2 または Ctrl+F2 キー(Mac では command+F2 キー)を押します。
- エラー メッセージを含むツールチップを開くには、Ctrl+F1 キー(Mac では command+F1 キー)を押します。
(エラーだけでなく)すべてのコード インスペクション間を移動するには、[File] > [Settings] > [Editor] > [General](Mac では [File] > [Preferences] > [Editor] > [General])をクリックし、['Next error' action goes to high priority problems only] チェックボックスをオフにします。
タブインデントを使用する
Android Studio ではデフォルトで、インデントにスペース文字が使用されます。スクリーン リーダーのユーザーによっては、読み上げがより簡潔になるタブインデントのほうを好まれる場合があります。
タブインデントに変更するには、[File] > [Settings] > [Editor] > [Code Style] > [Java] > [Tabs and Indents](Mac では [File] > [Preferences] > [Editor] > [Code Style] > [Java] > [Tabs and Indents])をクリックし、[Use tab character] チェックボックスをオンにします。
Layout Editor を使用する
Android Studio 2.2 の Layout Editor は、ユーザー補助に一部対応していないところがあります(バグ履歴の表示)。一時的な回避策は、デフォルトでテキストモードでレイアウト ファイルを開くことです(バグ履歴の表示)。
デフォルトでテキスト表示モードでレイアウト ファイルを開くには、[File] > [Settings] > [Editor] > [Layout Editor](Mac では [File] > [Preferences] > [Editor] > [Layout Editor])をクリックし、[Prefer XML Editor] チェックボックスをオンにします。