Wear OS のユーザー補助機能

Wear OS でアプリを作成するときは、まず、Android アプリのユーザー補助に関するガイドの、ユーザー補助の原則とガイダンスに準拠します。その後、Wear OS でもアプリがアクセシブルであることを確認します。

ユーザー補助に関して、Wear OS アプリには以下の理由から追加の考慮事項があります。

  • ロータリー入力など、Wear OS の異なる入力タイプ
  • タイルやウォッチフェイスの追加機能など、追加の UI サーフェス
  • 画面サイズが小さいため、異なる TalkBack 実装を必要とする

他のユーザー補助機能と同様に、スクリーン リーダーなどの支援技術によるエクスペリエンスをそれぞれ徹底的にテストしてください。これにより、ユーザーの視点でアプリを体験し、見逃しがちなユーザビリティの問題を見つけることができます。詳しくは、アプリのユーザー補助機能をテストするをご覧ください。

ユーザーが希望するフォントサイズをサポートする

システム設定では、Wear OS アプリに表示されるテキスト要素のフォントサイズを調整できます。たとえば、Google Pixel Watch デバイスでは、これらの設定は [設定] > [ユーザー補助] メニューにあります

アプリをテストする際は、フォントサイズを異なる値に設定し、アプリのテキスト コンテンツが期待どおりに動作することを確認します。次のような方法を使うと、アプリのテキストのアクセシビリティを向上できます。

ロータリー入力を有効にする

ほとんどの Wear OS デバイスは、物理的な回転サイドボタン(RSB)、回転ベゼルまたはタッチベゼルを備えています。これをロータリー入力といいます。ロータリー入力を使用して、メディアアプリの音量を調整したり、コンテンツを上下にスクロールしたりできます。

Wear OS デバイスはモバイル デバイスよりも小さいため、課題が増えます。細かな作業が難しいユーザーは、画面が小さいと正確な操作がしにくいことがあります。また、スクリーン リーダーのユーザーは、2 本指でのスクロール操作がしにくいことがあります。ロータリー入力を使用すると、2 本指で操作するよりも簡単にスクロールできるため、このような課題に直面しているユーザーを支援できます。

詳しくは、ロータリー入力をご覧ください。

TalkBack 向けにアプリを最適化する

TalkBack は Android に組み込まれているスクリーン リーダーです。TalkBack を有効にすると、ユーザーは画面を見ずに Android 搭載デバイスを操作できます。アプリをテストして、TalkBack などのスクリーン リーダーですべてのユーザー ジャーニーをナビゲートできることを確認してください。詳しくは、TalkBack をご覧ください。

Wear OS の TalkBack はモバイルの TalkBack と似ていますが、追加の考慮事項があります。以降のセクションで詳しく説明します。

組み込みコンポーネントを使用する

Wear OS には、ユーザー補助のベスト プラクティスを反映済みの組み込み UI コンポーネントが多数用意されています。たとえば、PickerGroup 要素はフォーカス コーディネーター オブジェクトを使用して、正しい Picker 要素にフォーカスを割り当てます。

アプリでこれらの組み込みコンポーネントを使用して、すべてのユーザーにとってのユーザビリティを改善します。

タイルとウォッチフェイスの追加機能にコンテンツの説明を使用する

Wear OS では、タイルやウォッチフェイスの追加機能など、さまざまな UI サーフェスを利用できます。

ウォッチフェイスの追加機能では、日付や天気予報など、アプリの情報がウォッチフェイスに直接表示され、ひと目で確認できます。タイルを使用すると、必要な情報やアクションにすばやくアクセスできます。ウォッチフェイスをスワイプするだけで、天気予報を確認したり、タイマーを設定したり、さまざまなことができます。

Compose の視覚要素と同様に、タイルとウォッチフェイスの追加機能に contentDescription を設定できます。contentDescriptions は、TalkBack がテキスト表現のないコンテンツを説明するために使用するテキストを定義します。タイルとウォッチフェイスの追加機能にコンテンツの説明を使用する場合は、次の点に注意してください。

  • ウォッチフェイスの追加機能、タイルなど、説明に余分な語句を入れないでください。ユーザーに価値をもたらしません。
  • 表示されている情報を超える語句を入れないでください。たとえば、日付 12 月 13 日を表示しているウォッチフェイスの追加機能の説明では、曜日日付などの語句を使用せずに 12 月 13 日とします。

タイルに関するコンテンツの説明を設定する

メソッド setContentDescription を使用して、TalkBack が読み上げるタイルに関する現在のコンテンツの説明を設定します。

また、タイル内の要素(ボタンなど)についてもコンテンツの説明を必ず設定します。

ウォッチフェイスの追加機能に関するコンテンツの説明を設定する

ビルダーに設定されてるウォッチフェイスの追加機能には、SmallImageComplicationShortTextComplication. contentDescription など、さまざまな種類があります。例については SmallImageComplicationData.Builder をご覧ください。

リストの動作について

ウェアラブル デバイスは画面サイズが小さいため、TalkBack は Wear OS でのリストの動作についていくつかの仮定を行います。

リスト通知

他のフォーム ファクタでは、ユーザーがリストにフォーカスすると、TalkBack がリスト内を通知に追加するため、ユーザーは現在地を把握できます。ユーザーがリスト外に移動すると、TalkBack はリスト外を通知に追加します。ただし Wear OS では、画面サイズが小さいことから、TalkBack は UI ごとにリストは 1 つしかないと想定します。そのため、冗長な表現を避けるために、リスト内とリスト外の通知のサポートを削除しました。Wear OS でリスト内とリスト外の通知が読み上げられることを前提としないでください。

垂直リスト通知

TalkBack は、垂直リストからアイテムを読み取る際、小さすぎるアイテムや画面からはみ出しそうなアイテムを避けて読み上げます。具体的には、TalkBack は次の 2 つの条件を使用します。

  1. 画面の上部または下部付近の要素。
  2. 高さが 32 dp 未満の要素。

アイテムの高さを 32 dp 以上にし、リストの最初のアイテムに上部からのパディング、最後のアイテムに下部からのパディングを設けると、TalkBack と効果的に連携できます。

このガイドラインは水平リストには適用されません。

最小のタップ ターゲットを設定する

タップ ターゲットは、ユーザー入力に応答する画面の部分です。要素の視覚的な境界の外まで広げることができます。たとえば、アイコンなどの要素が 24 dp x 24 dp に見えても、その周囲のパディングが 48 x 48 dp の完全なタップ ターゲットを構成している場合があります。

Android のマテリアル ガイダンスに基づき、タップ ターゲットの推奨サイズは 48 dp x 48 dp です。Wear OS では画面サイズが小さいため、状況によっては 40 dp x 40 dp が許容されます。

タップ ターゲットの実装方法について詳しくは、Compose のユーザー補助をご覧ください。