Android の次期バージョンにアプリを対応させるために必要なものが揃った、Android の公開ベータ版プログラム。
- ハードウェアとエミュレータのシステム イメージ - Pixel デバイスと Android Emulator で、次期バージョンの Android 上でアプリをテストするためのランタイム環境です。
- 最新のプラットフォーム コードと API - 定期的にアップデートが提供されるので、最新のプラットフォーム コードでテストできます。
- 新しい動作と機能 - アプリに影響する動作変更をピンポイントで絞り込み、最新のプラットフォーム機能を使ってビルドできます。
- フィードバックとサポート - 皆様からのフィードバックは非常に重要です。問題を報告し、ご意見をお寄せください。[デベロッパー コミュニティ][community] で他のデベロッパーと交流し、経験を共有しましょう。
マイルストーンとアップデート
デベロッパー向けの Android ベータ版プログラムは、メジャー リリースとマイナー リリースの数か月前に実施されます。この期間中、開発環境とテスト環境向けにベータ版のアップデートが提供されます。これには、SDK ツール、システム イメージ、エミュレータ、API リファレンス、API の差分が含まれます。各マイルストーンで重点を置くべき点の詳細については、次の表をご覧ください。
マイルストーン | タイプ | デベロッパーのアクション |
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Beta 1 | ベータ版の初期リリース。Android ベータ版に登録したデベロッパーと先行ユーザー向けに無線アップデート。 |
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以降のベータ版リリース | ベータ版品質の増分リリース |
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プラットフォームの安定版 | ||
プラットフォームの安定性 | 最終的な API と動作など、最初のプラットフォームの安定版のマイルストーン。Play での公開も開始します。 |
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最終リリース | AOSP とエコシステムに対するプラットフォーム リリース。 |
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Android リリース フェーズ
Android ベータ版プログラムの各段階で、AOSP と Android エコシステムへの安定版リリースに向けてアプリを準備することができます。
ベータ版リリース
ベータ版 1 は、次のプラットフォーム リリースでビルドとテストを行うための、より完全で安定した環境を提供します。これは、Android ベータ プログラムに登録している先行ユーザーに提供される最初のビルドです。ベータ版リリースの期間中、先行ユーザーは Pixel デバイスでアプリを使用します。したがって、アプリのターゲットを変更せずに、先行ユーザーからのフィードバックを確認し、互換性のあるアップデートをリリースして問題に対処することをおすすめします。メジャー リリースの場合、この期間は、後でアプリのターゲットを変更する準備を始めるのに適しています。この期間中にフィードバックをお寄せください。問題やリクエストなどがありましたら、ぜひお知らせください。
プラットフォームの安定版のマイルストーン
Android リリースには「プラットフォームの安定版」というマイルストーンが含まれており、アプリの最終的なテストとリリースの計画を立てやすくなっています。このマイルストーンは、プラットフォームの内部 API と外部 API、アプリとのインターフェース動作、非 SDK API リストが最終的に確定したことを示します。プラットフォームの安定版以降、アプリに影響する変更はないと想定できます。この期間中に、エコシステムへの最終リリースでアプリの互換性のあるバージョンをユーザーに提供するために必要な最終のテストおよび開発作業を開始します。メジャー リリースの場合、この時点で Android は標準 API レベルを提供します。
すべてのアプリ、ゲーム、SDK、ライブラリ、ゲームエンジンのデベロッパーに、最終的な互換性テストと公開リリースの計画における目標としてプラットフォームの安定版のマイルストーンを使用することをおすすめします。最終リリースの代わりにプラットフォームの安定版を目標とすると、エンドユーザーが各自のデバイスで新しいプラットフォームを受け取れるようになるまでに数週間の猶予が得られます。
プラットフォームの安定版以降、正式な API レベルで Android プラットフォームを稼働するデバイスにアプリを公開することもできます。Google Play のアルファ版およびベータ版トラックに先行公開して、ストアで幅広く配信する前にアプリをテストすることをおすすめします。
最終リリース
Android プラットフォームの安定版は、AOSP と Android エコシステム全体に対してリリースされます。この時点かその直後に、デバイス メーカーがユーザーに対してアップデートのリリースを開始するのに伴い、一部のユーザーが Android プラットフォームにアップデートすることを想定しておく必要があります。最新バージョンの Android のユーザーが増えるのに伴って報告される新しい問題に備えてください。
ベータ版リリースに含まれる内容
ベータ版プログラムには、さまざまな画面サイズ、ネットワーク技術、CPU および GPU チップセット、ハードウェア アーキテクチャで既存のアプリをテストするために必要なものがすべて含まれています。
SDK とツール
Android Studio を使用すると、SDK Manager から以下のコンポーネントをダウンロードできます。
- ベータ版リリースの SDK とツール
- モバイル デバイス用エミュレータ システム イメージ(64 ビットのみ)
これらの開発ツールは、必要に応じて各マイルストーンでアップデートされます。
システム イメージ
開発とテストに使用できる、さまざまな Google Pixel デバイス用のシステム イメージが用意されています。開発とテスト用のシステム イメージは、リリースのダウンロード ページから入手できます。
Google Pixel デバイスがなくても、ワークフローに応じて以下のような方法で開発とテストを行うことができます。
- モバイル デバイス用エミュレータ システム イメージ(64 ビットのみ)
- Generic System Image(GSI)
Android ベータ プログラムを通じた Pixel の OTA アップデート
サポートされている Google Pixel デバイスをお持ちの場合は、Google Pixel 用 Android ベータ プログラムにデバイスを登録して、Android プラットフォーム ベータ版の無線(OTA)アップデートを入手できます。
登録の詳細については、g.co/androidbeta をご覧ください。
ベータ版 API と公開
初期のベータ版ビルドは、最初は標準 API レベルではない開発専用システムと Android ライブラリを提供します。この期間中に新しいプラットフォームをターゲットとして新しい API でビルドする場合は、アプリのビルド構成を更新してベータ版をターゲットに設定する必要があります。
プレビュー API は、プラットフォームの安定版で最終版 SDK がリリースされるまで、正式版にはなりません。つまり、特にプレビュー プログラムの最初の数週間は、ベータ版で API の変更が発生することが予想されます。変更の概要については、リリースごとにお知らせします。
プレビューの後半にデベロッパー API が確定すると、Android Studio に正式な SDK をダウンロードし、正式な API をコンパイルできるようになります。
プラットフォームの安定版のマイルストーンまで、Google Play では、プレビュー API レベルまたは将来の正式な API レベルをターゲットとするアプリは公開できません。最終版 SDK が利用可能になった時点で、正式な API レベルをターゲットとして、アルファ版、ベータ版、製品版のリリース チャンネルでアプリを Google Play に公開できるようになります。それまでの間、次の API レベルをターゲットとするアプリをテスターに配布する場合、メールでの送信またはデベロッパーのサイトからの直接ダウンロードを通じてならいつでも可能です。
API リファレンスと差分レポート
プラットフォーム リファレンス ドキュメントには、常に最新のプラットフォーム プレビュー、ベータ版、最終リリースが表示されます。開発中の新しい API には、判別しやすいように透かしを入れ、API レベルとしてプレビューのコードネームを表示しています。これらの API は、プレビュー SDK を使用してビルドする場合にのみ使用できます。
最終版 SDK が利用可能になると、API リファレンスで新しい API が正式な API レベルに追加されたことが示されます。
サポート情報
Android ベータ版ビルドでテストと開発を行う際に、問題やフィードバックがありましたら、以下の方法でお知らせください。
- フィードバックと問題のページにアクセスして、問題の報告に関する詳細な情報を確認のうえ、ご意見をお知らせください。このページから、Issue Tracker にアクセスしてバグまたは機能リクエストを登録できます。また、新しい機能と変更に関する簡単なアンケートに答えてフィードバックを送信できます。
- Android プレビュー Issue Tracker は、重要な問題を追跡するためのツールです。バグ、パフォーマンスの問題、一般的なフィードバックを Issue Tracker から送信できます。また、既知の問題やその回避策を確認することもできます。ご報告いただいた問題については、緊急性を判断して、調査のために Android エンジニアリング チームに送るとともに、状況を随時お伝えします。
- [Android デベロッパー コミュニティ][community] では、Android 16 プレビュー ビルドを使用している他のユーザーやデベロッパーと交流できます。感想や意見を共有したり、質問に対する答えを探したりすることができます。
[community]: /about/versions/16/qpr2/dev-community