スマートウォッチの実機で Wear OS アプリをデバッグするには、Wi-Fi または Bluetooth を使用して開発マシンをスマートウォッチに接続します。または、スマートウォッチに USB ポートがある場合は、USB で接続します。
アプリでこのサポートが必要な場合、スマートウォッチやスマートフォンなど複数のデバイスにまたがるワークフローをテストすることもできます。テスト用の接続の設定方法について詳しくは、スマートウォッチをスマートフォンに接続するをご覧ください。
注: スマートウォッチの実機がない場合は、Android Studio のエミュレータでアプリを実行、テストすることもできます。
Wear OS の最新バージョンに更新する
アプリが最新のソフトウェアで正常に動作することを確認できるよう、テストデバイスに、対応する最新バージョンの Wear OS が搭載されていることをご確認ください。
テストデバイスにシステム アップデートがあるかどうかを確認するには:
- デバイスを Wi-Fi ネットワークに接続します。
- デバイスの充電を開始します。
- デバイスのバッテリーが 50% 以上充電されるまで待ちます。
-
テストデバイスで、[設定] > [システム] > [システム アップデート] に移動します。
適用できるシステム アップデートがあれば、テストデバイスにダウンロードされてインストールされます。
特定バージョンの Wear OS をインストールする(省略可)
アプリのテストケースが特定のバージョンの Wear OS に依存している場合は、USB データ接続をサポートするスマートウォッチにソフトウェア イメージを書き込むことができます。たとえば、Google Pixel Watch 3 または Google Pixel Watch 2 デバイスには、ファクトリー イメージやフル OTA イメージを書き込むことができます。
スマートウォッチで開発者向けオプションを有効にする
スマートウォッチでデバッグを行うには、開発者向けオプションを有効にします。この操作は 1 回だけ行う必要があります。開発者向けオプションは、無効にするまで有効な状態で保持されます。開発者向けオプションを有効にする手順は次のとおりです。
- スマートウォッチの [設定] を開きます。
- [システム] > [デバイス情報] > [バージョン] をタップします。
- [ビルド番号] を 7 回タップします。
- 開発者向けオプションが有効になったことを確認するメッセージが表示されます。
Wi-Fi 経由でデバッグする
デバッグを開始する前に、前述のようにスマートウォッチで開発者向けオプションを有効にします。
スマートウォッチを Wi-Fi ネットワークに接続する
- スマートウォッチの [設定] を開きます。
- [接続] > [Wi-Fi] をタップします。
- ネットワークを選択し、必要に応じてパスワードを入力します。
注: スマートウォッチと開発マシンが同じネットワークに接続されている必要があります。すべてのアクセス ポイントが適切とは限りません。場合によっては、ファイアウォールが
adb
をサポートするように適切に構成されているアクセス ポイントを使用する必要があります。
Wi-Fi 経由のデバッグを有効にする
- スマートウォッチの [設定] を開きます。
- [開発者向けオプション] > [Wi-Fi 経由でデバッグ] をタップします。
- しばらくすると、スマートウォッチの IP アドレス(
192.168.1.100
など)が画面に表示されます。この IP アドレスは次のステップで必要になるため、メモしておきます。
デバッガとスマートウォッチをペア設定する
- Wear OS デバイスで、システム設定のワイヤレス デバッグ オプションを確認します。[新しいデバイスとペア設定] を選択します。
- Wi-Fi ペア設定コードと IP アドレスとポートをメモします。
-
開発マシンのターミナル ウィンドウで次のコマンドを入力します。
adb pair IP_ADDRESS:PORT
-
プロンプトが表示されたら、ステップ 2 の Wi-Fi ペア設定コードを入力します。ペア設定が成功したかどうかがターミナルに出力されます。例:
Enter pairing code: 123456 Successfully paired to 192.168.1.100:5555
デバッガをスマートウォッチに接続する
- スマートウォッチと開発マシンを同じネットワークに接続します。
スマートウォッチの IP アドレスとポート番号を使用して、デバッガをスマートウォッチに接続します。たとえば、IP アドレスが
192.168.1.100
でポート番号が5555
である場合、adb connect
コマンドとそのレスポンスは次のようになります。adb connect 192.168.1.100:5555 connected to 192.168.1.100:5555
これでスマートウォッチがデバッガに接続されたので、デバッグを開始できます。-s
フラグを使用してスマートウォッチの IP アドレスとポート番号を指定し、adb
コマンドをスマートウォッチに送信します。
adb -s 192.168.1.100:5555 <command>
エミュレータを使用しておらず、デバッグ用に接続されているデバイスが 1 台のみの場合、アドレスの指定は不要です。
adb <command>
Bluetooth 経由でデバッグする
注: Bluetooth 経由のデバッグは、Wear OS 2 を搭載し、Android とペア設定されたスマートウォッチでのみ機能します。
デバッグを開始する前に、スマートウォッチとスマートフォンをペア設定し、前述のようにスマートウォッチで開発者向けオプションを有効にします。スマートフォンの [設定] メニューを開き、[開発者向けオプション] を見つけて、スマートフォンで開発者向けオプションが有効になっていることを確認します。必要な場合は、スマートフォンで開発者向けオプションを有効にします。
スマートフォンで USB デバッグを有効にする
- スマートフォンの [設定] メニューを開きます。
- [開発者向けオプション] を選択し、[USB デバッグ] を有効にします。
スマートウォッチで ADB デバッグと Bluetooth 経由のデバッグを有効にする
- スマートウォッチの [設定] メニューを開きます。
- [開発者向けオプション] までスクロールします。
- [ADB デバッグ] が有効になっていることを確認します。
- [Bluetooth 経由でデバッグ] を有効にします。
スマートフォンで Bluetooth 経由のデバッグを有効にする
- スマートフォンで Wear OS コンパニオン アプリを開きます。
- [詳細設定] まで下にスクロールし、タップして [詳細設定] のオプションを表示します。
- [Bluetooth 経由のデバッグ] を有効にします。オプションの下に、次のステータス メッセージが表示されます。
Host: disconnected Target: connected
この時点では、開発マシン(ホスト)はスマートウォッチ(ターゲット)と通信していません。通信を開始するには、リンクを完了する必要があります。
注: デバッグは一度に 1 台のみ行うことができます。複数のスマートウォッチがペア設定されている場合、Bluetooth 経由のデバッグはメイン画面で選択したデバイスでのみ有効になります。
デバッガをスマートウォッチに接続する
この最後の手順では、デバッガ、スマートフォン、スマートウォッチをすべて使用します。
- USB ケーブルでスマートフォンを開発マシンに接続します。
- デバッガで次の 2 つのコマンドを実行します。
adb forward tcp:4444 localabstract:/adb-hub adb connect 127.0.0.1:4444
注: IP アドレス 127.0.0.1 を使用する必要があります。開発マシンで任意の使用可能なポートを使用し、両方のコマンドで同じポートを使用します。この例のポートは 4444 です。
- 接続コマンドを入力すると、スマートウォッチで、ADB デバッグを許可していることを確認するよう求められます。
- スマートフォンで、Wear OS コンパニオン アプリのステータスが次のように表示されていることを確認します。
Host: connected Target: connected
これでスマートウォッチがデバッガに接続されたので、デバッグを開始できます。
Bluetooth を使用してスマートウォッチをデバッグする場合、adb
では必ず IP アドレス 127.0.0.1
と割り当てたポートを使用します。この例のポートは 4444
です。すべての adb
コマンドは次の形式を使用します。
adb -s 127.0.0.1:4444 <command>
エミュレータを使用しておらず、デバッグ用に接続されているデバイスが 1 台のみの場合、アドレスの指定は不要です。
adb <command>
Wear OS でスクリーン レコードを使用する
macOS で開発を行っている場合は、GitHub プロジェクトの Mac 向け Android ツールを使用して、Wear OS デバイスで動画を録画できます。
または、次の手順で Wear OS デバイスから動画を録画します。
- スマートウォッチで RAW フレームを録画します。
adb shell screenrecord --time-limit 30 --output-format raw-frames --verbose /sdcard/video.raw
- RAW ファイルを開発マシンにコピーします。
adb pull /sdcard/video.raw video.raw
ffmpeg
を使用して未加工のファイルを MP4 に変換します。ffmpeg -f rawvideo -vcodec rawvideo -s 400x400 -pix_fmt rgb24 -r 10 -i video.raw -an -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p video.mp4
注: ダウンロードとインストールの手順については、FFmpeg のウェブサイトをご覧ください。
以下の関連リソースもご覧ください。