Android 12 以降では、アプリの起動時にシステム スプラッシュ画面が表示されます。これには、アプリ開始を示す動画、アプリアイコンを表示するスプラッシュ画面、アプリ本体への遷移が含まれます。スプラッシュ画面は Window であるため、Activity を覆います。
スプラッシュ画面のエクスペリエンスでは、アプリを起動するたびに標準のデザイン要素が提供されますが、カスタマイズもできるため、アプリ独自のブランディングを維持できます。
アプリからスプラッシュ画面をカスタマイズするには、Jetpack SplashScreen 互換ライブラリを使用します。プラットフォームの SplashScreen API をラップし、setContent を使用して Compose で UI を設定するアクティビティを含む、任意の ComponentActivity で動作します。
スプラッシュ画面の仕組み
アプリのプロセスが実行されていないとき(コールド スタート)または Activity が作成されていないとき(ウォーム スタート)にユーザーがアプリを起動すると、次のイベントが発生します。
定義したテーマとアニメーションを使用してスプラッシュ画面が表示されます。
アプリの準備が整うと、スプラッシュ画面が閉じてアプリが表示されます。
ホットスタート時にスプラッシュ画面が表示されることはありません。
スプラッシュ画面の要素とメカニズム
スプラッシュ画面の要素は、Android マニフェスト ファイルの XML リソース ファイルで定義します。各要素にはライトモードとダークモードのバージョンがあります。
スプラッシュ画面のカスタマイズ可能な要素は、アプリアイコン、アイコン背景、ウィンドウ背景で構成されます。
図 2 に示す次の要素について考えてみましょう。
1 アプリアイコンはベクター型ドローアブルにする必要があります。静止画像またはアニメーションを使用できます。アニメーションの継続時間に制限はありませんが、1,000 ミリ秒以下にすることをおすすめします。デフォルトはランチャー アイコンです。
2 アイコン背景は省略可能です。アイコンとウィンドウ背景とのコントラストを上げる必要がある場合に便利です。アダプティブ アイコンを使用する場合、ウィンドウ背景とのコントラストが十分あれば、背景が表示されます。
3 アダプティブ アイコンと同様に、フォアグラウンドの 3 分の 1 がマスクされています。
4 ウィンドウ背景は、不透明な単色で構成されています。ウィンドウ背景が設定され、無地の色である場合、属性が設定されていなければ、デフォルトで使用されます。
スプラッシュ画面のサイズ
スプラッシュ画面のアイコンの仕様は、次のようにアダプティブ アイコンと同じです。
- ブランド イメージ: 200 × 80 dp にする必要があります。
- 背景があるアプリアイコン: 直径 160 dp の円に収まる 240 x 240 dp にする必要があります。
- 背景がないアプリアイコン: 直径が 192 dp の円に収まる 288 x 288 dp にする必要があります。
たとえば、画像の合計サイズが 300 x 300 dp の場合、アイコンを直径 200 dp の円内に収める必要があります。円の外側にあるものはすべて非表示になります(マスクされます)。
スプラッシュ画面のアニメーションと起動シーケンス
レイテンシの増加は一般に、コールド スタートでのアプリの起動に関連します。スプラッシュ画面にアニメーション アイコンを追加すると、自然に美しさに目が向き、エクスペリエンスを高めることができます。ユーザー調査によると、アニメーションを表示した場合は起動時間が認識されにくいというメリットもあります。
スプラッシュ画面のアニメーションは、図 4 に示すように、起動シーケンス コンポーネントに埋め込まれます。
開始アニメーション: システムビューからスプラッシュ画面までです。これはシステムによって制御され、カスタマイズできません。
スプラッシュ画面(シーケンスの「待機」部分に表示): スプラッシュ画面はカスタマイズでき、独自のロゴのアニメーションやブランディングの提示に利用できます。適切に動作するためには、このページに記載されている要件を遵守する必要があります。
終了アニメーション: スプラッシュ画面を非表示にするアニメーションです。カスタマイズする場合は、
SplashScreenViewProviderビューとそのアイコンを使用します。変換、不透明度、色を設定して任意のアニメーションを実行できます。その場合、アニメーションが終了したらスプラッシュ画面を手動で削除します。
アイコンのアニメーションを実行すると、アプリの起動により、アプリの準備が早く整った場合にシーケンスをスキップするためのオプションが表示されます。アプリが onResume() をトリガーするか、スプラッシュ画面が自動的にタイムアウトするため、モーションを安心してスキップできることをご確認ください。スプラッシュ画面が onResume() で閉じるのは、アプリが表示の観点で安定している場合のみであるため、スピナーの追加は必要ありません。導入するインターフェースが不完全であると、ユーザーに不快感をもたらす可能性があるだけでなく、予測できないという印象や洗練さに欠けるという印象を与えかねません。
スプラッシュ画面のアニメーションの要件
スプラッシュ画面は次の仕様に準拠する必要があります。
ウィンドウ背景を単色で透明度なしに設定します。日中モードと夜間モードは、
SplashScreen互換性ライブラリでサポートされています。アニメーション アイコンが次の仕様を遵守していることを確認します。
- 形式: アイコンは AnimatedVectorDrawable(AVD)の XML にする必要があります。
- サイズ: AVD アイコンは、次のように、アダプティブ アイコンのサイズの 4 倍にする必要があります。
- アイコンの領域は 432 dp(つまり、アダプティブ アイコンのマスクされない領域である 108 dp の 4 倍)にする必要があります。
- 画像の内側の 2/3 がランチャー アイコンに表示され、288 dp(つまり、アダプティブ アイコンの内側のマスクされる領域である 72 dp の 4 倍)にする必要があります。
- 継続時間: スマートフォンでは 1,000 ミリ秒以下にすることをおすすめします。遅延スタートを使用することもできますが、166 ミリ秒以下にする必要があります。アプリの起動時間が 1,000 ミリ秒を超える場合は、ループ アニメーションをご検討ください。
スプラッシュ画面を閉じる適切なタイミングを設定します。このタイミングで、アプリは最初のフレームを表示します。この設定は、スプラッシュ画面を長時間表示するセクションに記載されているように、さらにカスタマイズできます。
スプラッシュ画面のリソース
スターター キットのサンプルをダウンロードして、アニメーションの作成、フォーマット、AVD へのエクスポートを行う方法をご確認ください。次のツールが含まれています。
- アニメーションの Adobe After Effects プロジェクト ファイル。
- 最終的にエクスポートされる AVD XML ファイル。
- アニメーションの GIF の例。
上記のファイルをダウンロードすると、Google 利用規約に同意したことになります。
このサービスでのデータの取り扱いについては、Google プライバシー ポリシーに記載されています。
アプリのスプラッシュ画面をカスタマイズする
SplashScreen はデフォルトで、テーマの windowBackground(windowBackground が単色の場合)を使用します。スプラッシュ画面をカスタマイズするには、アプリテーマに属性を追加します。
アプリのスプラッシュ画面は、次のいずれかの方法でカスタマイズできます。
テーマ属性を設定して外観を変更する。
長時間表示する。
スプラッシュ画面を閉じるためのアニメーションをカスタマイズする。
始める
コア SplashScreen ライブラリにより、API 23 からすべてのデバイスに Android 12 スプラッシュ画面が導入されます。プロジェクトに追加するには、build.gradle ファイルに次のスニペットを追加します。
Groovy
dependencies { implementation "androidx.core:core-splashscreen:1.2.0" }
Kotlin
dependencies { implementation("androidx.core:core-splashscreen:1.2.0") }
次に、Theme.SplashScreen を継承するスプラッシュ画面のテーマを作成し、postSplashScreenTheme をアクティビティがその後使用するテーマに設定して、マニフェストにスプラッシュ画面のテーマを適用し(既存のスプラッシュ画面の実装を Android 12 以降に移行するを参照)、super.onCreate() を呼び出す前に開始アクティビティで installSplashScreen() を呼び出します。以下のセクションの例をご覧ください。
スプラッシュ画面のテーマを設定して外観を変更する
アプリのスプラッシュ画面をカスタマイズするには、Activity テーマに以下の属性を指定します。android:windowBackground のような属性を使用する以前のスプラッシュ画面実装がある場合は、Android 12 以降用の代替リソース ファイルを提供することをご検討ください。
背景を特定の単色で塗りつぶすには、
windowSplashScreenBackgroundを使用します。<item name="android:windowSplashScreenBackground">@color/...</item>開始ウィンドウの中央にあるアイコンを置き換えるには、
windowSplashScreenAnimatedIconを使用します。Android 12(API レベル 32)のみを対象とするアプリの場合は、次の操作を行います。
AnimationDrawableとAnimatedVectorDrawableでオブジェクトのアニメーション化と描画が可能な場合、開始ウィンドウを表示しつつアニメーションを再生するには、windowSplashScreenAnimationDurationを設定します。Android 13 では、持続時間がAnimatedVectorDrawableから直接推定されるため、これは必要ありません。<item name="android:windowSplashScreenAnimatedIcon">@drawable/...</item>スプラッシュ画面のアイコン アニメーションの継続時間を指定するには、
windowSplashScreenAnimationDurationを使用します。この設定はスプラッシュ画面の実際の表示時間には影響しませんが、スプラッシュ画面の終了アニメーションをカスタマイズするときにSplashScreenViewProvider.iconAnimationDurationMillisを使用して取得できます。 詳しくは、次のセクションのスプラッシュ画面を長時間表示するをご覧ください。<item name="android:windowSplashScreenAnimationDuration">1000</item>スプラッシュ画面のアイコンの背景を設定するには、
windowSplashScreenIconBackgroundColorを使用します。これは、ウィンドウの背景とアイコンのコントラストが十分でない場合に便利です。<item name="android:windowSplashScreenIconBackgroundColor">@color/...</item>windowSplashScreenBrandingImageを使用すると、スプラッシュ画面の下部に表示する画像を設定できます。ただし、デザイン ガイドラインでは、ブランディング画像の使用は推奨されていません。<item name="android:windowSplashScreenBrandingImage">@drawable/...</item>windowSplashScreenBehaviorを使用すると、Android 13 以降では、スプラッシュ画面にアイコンを常に表示するかどうかを指定できます。デフォルト値は 0 です。起動アクティビティがsplashScreenStyleをSPLASH_SCREEN_STYLE_ICONに設定している場合は、スプラッシュ画面にアイコンが表示されます。起動アクティビティがスタイルを指定していない場合は、システムの動作に従います。空のスプラッシュ画面を表示せず、常にアニメーション アイコンを表示する場合は、この値をicon_preferredに設定します。<item name="android:windowSplashScreenBehavior">icon_preferred</item>
スプラッシュ画面を長時間表示する
スプラッシュ画面は、アプリが最初のフレームを描画するとすぐに閉じます。アプリ内の設定をローカル ディスクから非同期で読み込むなど、少量のデータを読み込む必要がある場合は、setKeepOnScreenCondition を使用して、データの準備が整うまでスプラッシュ画面を表示したままにします。この条件は各フレームが描画される前に評価されるため、UI のブロックを回避するために高速に処理されるようにします。
開始アクティビティが描画前に終了する場合(たとえば、コンテンツ ビューを設定せず、onResume の前に終了する場合など)は、条件を設定する必要はありません。
override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) { // Install the splash screen before calling super.onCreate(). val splashScreen = installSplashScreen() super.onCreate(savedInstanceState) // Keep the splash screen on-screen until the initial data is ready. // The condition is checked each time the app is about to draw a frame. splashScreen.setKeepOnScreenCondition { !viewModel.isReady.value } setContent { MyApp() } }
スプラッシュ画面を閉じるためのアニメーションをカスタマイズする
setOnExitAnimationListener を使用すると、スプラッシュ画面のアニメーションをさらにカスタマイズできます。リスナーは、アニメーション化するスプラッシュ画面ビューを提供する SplashScreenViewProvider を受け取ります。アニメーションが終了したら、remove() を呼び出します。
override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) { val splashScreen = installSplashScreen() super.onCreate(savedInstanceState) // Add a callback that's called when the splash screen is animating to the // app content. splashScreen.setOnExitAnimationListener { splashScreenViewProvider -> val splashScreenView = splashScreenViewProvider.view // Create your custom animation. val slideUp = ObjectAnimator.ofFloat( splashScreenView, View.TRANSLATION_Y, 0f, -splashScreenView.height.toFloat() ) slideUp.interpolator = AnticipateInterpolator() slideUp.duration = 200L // Call SplashScreenViewProvider.remove at the end of your custom // animation. slideUp.doOnEnd { splashScreenViewProvider.remove() } // Run your animation. slideUp.start() } setContent { MyApp() } }
このコールバックの開始時、スプラッシュ画面のアニメーション化ベクター型ドローアブルは開始しています。アプリの起動にかかる時間によっては、ドローアブルがアニメーションの中ほどにある場合があります。SplashScreenViewProvider.iconAnimationStartMillis を使用して、アニメーションがいつ開始されたのかを把握します。アイコン アニメーションの残りの時間は次のように計算できます。
// Get the duration of the animated vector drawable. val animationDuration = splashScreenViewProvider.iconAnimationDurationMillis // Get the start time of the animation, in milliseconds since the epoch. val animationStart = splashScreenViewProvider.iconAnimationStartMillis // Calculate the remaining duration of the animation. val remainingDuration = (animationDuration - (System.currentTimeMillis() - animationStart)) .coerceAtLeast(0L)
参考情報
- 既存のスプラッシュ画面の実装を Android 12 以降に移行する
- Now in Android アプリ。スプラッシュ画面の実装例を示しています。